元採用担当が、実際にやって効いたことと
効果が薄かったことをまとめました。
採用が決まり、書類を作り、シフトを組み、現場に手配まで終えた。 そして初日、来ない。電話も出ない。 何も悪いことをしていないのに、元請けにも現場にも謝るのは自分。
この記事は、ブルーカラーの採用担当だった人間が、実際にバックレに向き合って分かったことをまとめたものです。 一般論ではなく、効いたことと効かなかったことを分けて書きます。
この記事の内容
バックレは、本人の性格や常識の問題として語られがちです。 ですが、同じ人が別の会社ではきちんと働いていることもあります。 問題は人だけではなく、飛んでも本人が何も失わない構造にあります。
求職者は同時に何社にも応募します。特に短期・スポット・日払いの求人では、 「とりあえず全部応募して、一番条件が良いところに行く」のが普通です。 そして一社に行かなくても、本人には何の不利益も起きません。 次の応募先には、飛んだ事実が何も伝わらないからです。
ここを押さえないと、対策は的を外します。「常識が無い」で終わらせると、 説教や誓約書に向かってしまいます。実際に効くのは、飛ばれにくい状況を作ることと、 飛ぶ人を採用前に見分けることの2つです。
これが一番効きます。間が空くほど、他社の選考が進み、条件の良いところが決まります。 採用を決めてから初出勤まで2週間空けば、その間に別の会社が決まる可能性は跳ね上がります。 書類の都合で先に延ばしているなら、先に働き始めてもらって書類を後追いにできないかを検討する価値があります。
「思っていたのと違う」は、当日になって連絡が来なくなる典型的な理由です。 伝えにくいことほど、面接で言い切っておくほうが結果的に飛ばれません。
電話番号だけだと、着信拒否や電源オフで完全に途切れます。 LINEやメールなど、既読が分かる手段を1つ加えておくと、当日の朝の状況把握が変わります。
面接の受け答えは練習できますが、実際に来たかどうかの記録は作れません。 前の職場で無断欠勤や直前キャンセルを繰り返してきたかどうかが分かれば、 面接の印象だけで判断せずに済みます。 後述しますが、これが唯一「構造」に手を入れられる方法です。
「明日よろしくお願いします」だけだと既読スルーされます。 相手が返事をせざるを得ない用件にするのがコツです。 「明日の集合、正門と裏門どちらが来やすいですか」のように、選択を求める形にします。 ここで返事が無い時点で、当日の欠勤はかなりの確率で分かります。
「行きづらくなって行かなかった」は、本人が言わないだけで相当あります。 誰に会えばいいか分からないのが一番の壁です。
連絡が取れない相手を追いかける時間より、代わりの手配のほうが価値があります。 何時までに連絡が無ければ代替を動かすという線を、あらかじめ決めておくと迷いません。
誓約書を書かせる。書く人は元々来ます。飛ぶ人は署名してから飛びます。 採用担当の気休めにはなりますが、実務上、欠勤の数は変わりませんでした。
金銭的な負担をちらつかせる。抑止になるどころか、応募そのものが減ります。 「厳しそうな会社」と見られると、そもそも面接に来なくなります。 なお、金銭の請求に関する判断は専門家の領域なので、必要な場合は弁護士等にご相談ください。
当日の朝、電話を何度もかける。3回かけて出ない相手は、10回かけても出ません。 かけている時間で代わりを探すほうが、現場への影響を小さくできます。
面接を厳しくする。母集団が減るだけで、飛ぶ人の割合は変わりませんでした。 面接の場で分かるのは話し方や態度であって、当日に来るかどうかとは別の能力です。
ここまでの対策は、どれも自社の中でできる工夫です。効果はありますが、限界もあります。 飛んでも本人が何も失わない、という前提が変わらないからです。
この前提が変わるのは、勤怠の記録が次の応募先に引き継がれるときです。 きちんと働いてきた人にとっては実績が武器になり、 直前キャンセルを繰り返してきた人にとっては記録が残る。 そうなって初めて、飛ぶことにコストが生まれます。
勤怠ログは、そのために作った仕組みです。 応募者が過去にどう働いてきたかを、本人の同意のもとで確認できます。 記録するのは応募・面接・勤務・欠勤といった事実だけで、人物評は残せません。 本人が見せるかどうかを決められ、いらない記録は本人が消せます。
「同意が要るなら、危ない人は断るのでは」とよく言われます。その通りで、断られます。 ただ、開示を断られたという事実そのものが、面接の印象より確かな判断材料になります。
なお、働き始めたあとの当日欠勤・無断欠勤については、 欠勤対策・欠勤防止の実務に分けてまとめています。
「バックレ対策 サービス」「バックレ防止 ツール」で探すと、出てくるのは主に次の3種類です。 どれも目的が違うので、自社が困っている場面に合うものを選ぶことになります。
勤怠ログは4つ目の選択肢にあたります。 前職に問い合わせるのではなく、本人の同意で過去の勤怠の記録を見せてもらうやり方なので、 その場で完結し、費用もかかりません。 ブルーカラーの短期・スポット採用のように、面接から初日までが数日しかない募集を想定して作っています。 無料で始められるので、まず1人分を確認してみるところから試せます。